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啓蒙

お世話になって居ります河瀬です。

 

麗かな春の新年度如何お過ごしでしょうか。

私も教室も通常通り開講して居ります。

 

今年も3月頃から新規レッスンのお子様が多くご入会頂き、初歩導入教材を用いて、私も新しい気持ちでレッスンを行なって居ります。

私が担当するバイオリン、ピアノはどちらも音楽のジャンルではクラシックの領域の楽器で有り、教材も、初歩、導入の段階では童謡や民謡、ポップな課題曲が多く使われますが、基本的にはその方向性を強く持っています。

クラシック音楽は皆様がその単語から想像される通り西洋音楽で有り、その流れは古代ギリシアから連綿と続いて居ります。

音楽、というと感覚的、実践的、な活動で、現在では娯楽、エンターテイメント、レクリエーション、のイメージが強いかも知れませんが、日本でも明治期と戦後の教育改革を経て現在の学校教育に科目として組まれているように、リベラルアーツの流れを汲む学問として体系的に研究され、踏襲されて来た背景が有ります。

そのため、研究内容や音楽そのモノの内容を伝えるためにはオーラルトラディション(口唱伝承)の様な正確性が低い伝達手段ではなく、正確性が高い書面(楽譜)を使い受け継がれて来ました。

 

然し、本来音であるものを別の記号体系に置き換えてあるため、その解読、理解、再現方法もまた学問として踏襲していかなければなりません。

同じく書面で書かれた聖書も文字を読めないと理解が出来ない、伝える事が出来ないように、楽譜もまた文字と同じ様に読み方、再現方法を習得しなければなりません。

そういった音楽を理解し、再現するために必要な楽譜に関する規則、用語等の基礎的な事柄を扱ったものが楽典となります。

 

内容としては小学生高学年であれば概ね理解出来る内容ですが、音楽における音の定義、音高音名の数学的定義には√(ルート)が出て来るため、厳密な理解には中学生以上の学力が必要かもしれません。

基礎からしっかり理解したい方に勧められる楽典としては、黄色の装丁でお馴染みの石桁真礼生他の共著「楽典 理論と実習」が挙げられます。

昨今は様々な出版社から解り易い、優しいといったタイトルの楽典が沢山出て居りますし、YouTubeでは簡易に説明してある動画も沢山御座いますが、ニュアンスや概要ではなく、詳細の定義とその意義、本質を簡潔に説明してあります。

時代感も相俟ってやや堅い文体では有りますが、高校生以上の方で有れば通読されれば音楽感がより深まること請け合いです。

情報過多な現代においては雑多に豆知識が溢れて居り、より早く解り易くするために部分だけを切り取ったそれらは、本来小さな部分でしかなく、文章の中の単語だけを取り出したように、それ単体では本来の意味を理解出来ません。

情報が統合されず意味的な繋がりを持たず個別に存在するとき、繁雑さだけが増していきますが、体系的、論理的にシンプルに一つの直線に並べる事が出来ると、局所的にしか照らされていなかった状態から道程全体の全容が照らされ、意味的な位置が明確になり、却って全てが簡潔に理解出来ます。

 

「充分に理論の筋が通っていて、しかも基礎的理解に必要度の高いものを重点的にあつかい、わかりやすく、実用性をもそなえた、高度な啓もう書としての楽典の書物が待望されていたわけです。」(石桁真礼生)

1965年第1刷発行の本ですが、 現在でも音楽を学ぶ方の必読書で有り、以上の序文にある通り、本書精読依頼今も尚無知蒙昧な私の眼を開き明るく照らしてくれる本で有ります。

「さらに一読して理解できたつもりであっても、楽典に関する理論の理解というものは程度の差が大きく、しかもなかなか完全にはゆかないものです。」(石桁真礼生)

未だ音楽を勉強すればする程、立ち帰り基礎の深さと重大さに気付かされます。

1000年を超える楽譜の持つ重さはまだまだ理解出来ていないと思いますが、私なりに日々精進致します。

 

 

今回ご紹介した楽典は勿論お子様には難しい表現なので、もっと解り易く、入りやすいアプローチが必要ですが、ご興味がある方は是非ご一読下さい。

※写真右にあるものは小さなお子様向けの楽典入門書になります。ご興味がお有りでしたら貸し出し致しますのでお声掛け下さい。

岡崎市バイオリン教室
岡崎市バイオリン教室