日々の業務に追われ幾星霜が過ぎておりました。
ご無沙汰しております河瀬です。
今年も無事に春が迎えられました。
毎年恒例のご挨拶ですが、年度末から新規レッスンのお申し込みが増えますので、ご希望の方はお早めのお問い合わせの程お待ちしております。
ヴァイオリン、ピアノの河瀬クラスは各曜日ほぼ満席となっておりますが、僅かに空きがございます。
ギター、ベースの長濱クラスは各曜日まだまだ募集中でございます。
さて、狭いレッスン室ではありますが、お子様に関する書籍をご見学の保護者の方にお座りいただく椅子の横に置いてみました。
内容は子どもの精神医学、心理的障害等になります。
自宅にある学術書は待ち時間に軽く眺めるというには専門用語が多いハードなものばかりであったため読み易い物を厳選してあります。
お越しいただく方の中にはお手に取ってパラリと見ていただける方もいらっしゃいますが、ほとんどの方が内容をお読み頂いているご様子は伺えませんでした。
30分という短いレッスン時間ではじっくり内容を読む本ではないのかもしれません。
精神医学、心の問題はディープな内容に思われるかもしれませんが、人の世に生きる限り、どのような方にも役に立つ、広く人間学的な視点が広がる、深まる領域であります。
発達障害を例に取りますと、その名の通り、当人の発達に問題があります。
定義としては、定型発達とされる中央値、平均値的な発達の水準からある領域が遅れている、とされています。
遅れている、という事はどんな子どもにも同じ行動傾向がある年齢にはあったのですが、その年齢の段階では気にならなかったという事なので、どの子どもにも、その行動傾向に対する対処法のヒントが得られ易いという事になります。
そういった視点であれば端的な子育てハウツー情報として受け取れるものも多くあります。
ギター講師長濱は昔、病院の先生に骨の形の説明を受けた際、少し形が変わっている部位があるという事を言われたそうですが、曰く「大丈夫、人類学的にはみんなどこか変な所が絶対あるから」という事で特別問題はなかったそうです。
問題はそれが生活に支障が出ているかどうか、そしてその支障が病気、疾病、障害かのボーダーラインとなります。
精神、心理も十人十色で探せば皆様どこか必ずおかしい所がある筈ですが、生活に支障が出ていない、逆に良さとして現れているものは、個人の行動特徴、平たくは性格、個性と言われるのではないでしょうか。
しかし当人が生き辛さを抱える、周りが違和感、不快を感じる場合、問題とされ何らかの対処が望まれます。
私の経験上でも書籍にある統計としてのデータとしても10代後半からが最も問題が起き易いとされています。
ハッキリと病気、障害とされずとも、時、場面によりグラデーション的に何らかの傾向が現れる、感じる事はあると思われます。
今置いてある書籍のトピックは根本問題としては子ども固有の問題ではない事も多いのですが、成長途中であるが故に現れる問題も多くあるとされています。
教育や学習活動の中ではその内容を理解させる事が最優先される事が多くありますが、集団一斉教授の場合、個々人の特性に照準を合わせる事は難しく、その内容が伝わらない事が多くあります。
私は学校での集団授業も行いますが、個人レッスンの音楽講師としては、個々人の特性、希望を最優先出来る事が、個人レッスンの意義と考えています。
音楽は元より、多くの人にとっては生活の実利とは離れているため、学習活動として内容を理解、習得する事を是が非でも最優先する類のものではありません。
先ずは楽しんでいただきたい。その事実が既に実りではないでしょうか。
私は当人以外の「みんな」との関係、事情を心配せずに音楽を習いに来て頂きたい。
商売としては需要の多い一般的な広いゾーンをターゲットとする方が得策ではありますが、漠然とした「みんな」のではなく明確な特定の「誰か」のためのレッスンを目指しています。
凡そ音楽講師らしからぬ領域ばかり齧っておりますが、これも私の個性とお許し下されば幸いに存じます。
粗漏の音が多く拙劣ではありますが、ごくたまに楽器を弾く事もあるという程度の証として動画を取ってみました。
本当は霊氛にして幽玄にして窈然な曲なのですが、鈍らな腕では雑駁な音の羅列になってしまいました。
本年度も何卒宜しくお願い致します。