河瀬です。
先週の月曜はそこそこの雨が降りましたね。
レッスンで使用している太鼓は天然皮なのでその日は湿度で皮がビロンビロンでした。
春頃は毎レッスン使用していた太鼓も第一目的達成後は出番が無かったのですが、その日は別の目的で久しぶりに使用しました。
毎レッスンと言っても月に2,3回、ほんの1,2分しか叩かないのですが、その日最初にやってきた5歳の女の子は一打目にして「あれ?なんかぼこっていったよ?」と異変に気付きました。
晴れている日はポンッ!という張りのある音がするのですが、久しぶりの太鼓の音と感触を覚えているとは思わなかったので驚きました。
小さな音や感覚の違い、変化に気付く事が出来る事。そういった事がテクニックや知識以前に大事な事で、基礎だと教えていただいた事があります。
確かにそういった事を意識しないのであれあば、テクニックは唯の手先の器用さであり知識は唯の情報でしかなく心を動かす活動とは程遠い作業になります。
せっかくの良い教材である音楽を最大限有効に活用する為にはどうしてもその基礎を作る事が必要になる為、貴重なレッスン時間を割いて意識を音に向けてもらいます。
幼児のレッスンでは色んな音が出るミュージカルボールも使用します。
中には小さな粒や鈴が入っていて色によってそれぞれ違う音が出ます。
レッスンでは、僕が袋の中で見えないようにして音を出したボールと同じ色のボールを探すゲームをしたりします。
太鼓と比べるとこのミュージカルボールは発音する物自体に直接手が触れている為、聴覚だけでなく触覚で強く感じる事が出来ます。
触覚は楽器を演奏する際に視覚よりも重要な場面が多く、ピアノもヴァイオリンも鍵盤や指板(弦を押さえる場所)を常に見ている事はなく、ほとんどの場合が今出している音と楽器に触れている感覚から次の場所を探します。
唯の音当てゲームであればボタンや画面をタッチしてスピーカーから音を出した方が効率が良いのですが、生の楽器を弾く事に繋げる為にはこういった実物を使う事が一番良いのです。
ちなみにこのミュージカルボールはドイツのSINAという会社のものでお値段は一万円以上しました。
という情報を事前にお話しすると大人の目と耳も惹きつける事が出来ます(笑)
見学にお越しいただいている保護者の方も次回は是非一緒に聴いてみて下さい。
違いの分かる大人になろうではないですか。